寄生虫の異物検査の報告書のご案内です

異物検査の報告書(寄生虫)のご案内です。

寄生虫?

主に食品から検出された寄生虫を鑑別します。寄生虫であった場合には、 その名称や人体に対しての病害性などの情報をご提供致します。寄生虫以外のものであった場合にも、それが何かを鑑別して御報告致します。

報告書には以下に使用しているような画像を添付致します。

四吻条虫(しふんじょうちゅう)の幼虫(左/テンタクラリア、中/ニベリン条虫)
四吻条虫の吻の拡大(右/テンタクラリア)

動物や魚介類には様々な寄生虫がいます。ほとんどの寄生虫は食品に加工される過程で取り除かれますが、 まれに取り除かれなかったものが異物として検出される事があります。 寄生虫には誤って食べたとしても全く無害なものから重大な病害性を持つ物まで多様性に富んでいます。 画像は魚介類に寄生する四吻条虫の幼虫(プレロセルコイド)です。サナダムシの仲間ですが、ヒトに対しての病害性は小さく、人体内で増えたり大きくなる事はありません。

鉤頭虫類(ラジノリンクス)

サンマの中に良く見られるオレンジ色の5〜10ミリメートルくらいの寄生虫です。 サンマには普通に見られますが、加熱されていれば食べても無害です。 前述の四吻条虫の仲間も同じですが、生きた虫を食べると吻(ふん)が口の中やのどに引っかかる事があります。この寄生虫も人体内で増えたり大きくなる事はありません。

ブリ筋肉線虫(フィロメトロイデス)(左)、ブリ筋肉線虫の体表面の突起(右)

画像は調理されたブリから見つかった虫です。かなり大きいのですが切り身の隙間などにいるので食事中に見つかり、 苦情となりやすい寄生虫です。似た寄生虫に、フィロメトラなどがいますが、顕微鏡で観察すると体表全体にイボ状の突起が見られる事で識別できます。 ヒトには寄生しません。もし生きた虫を食べたとしても全く無害ですが、食事中に口の中に入ると精神的にダメージを受けるかもしれません。

アニサキス幼虫(アニサキス シンプレックス3期幼虫)(左)、アニサキス幼虫の口部拡大(右)

アニサキスの幼虫3センチメートルくらいの大きさで魚介類に寄生しますが、成虫は30センチメートル以上にもなり、クジラなどの海洋ほ乳類に寄生しています。ヒトが刺身などに付着した生きたアニサキスを誤って食べると、強い腹痛を起こすアニサキス症を発症する事があります。アニサキスの仲間には人体に対して病原性を持つ、シュードテラノーバやコントラシーカムなど多くの種類が存在し、口部先端にある尖った穿歯(せんし)でヒトの胃や腸に潜り込んでアニサキス症を発症させます。

ザルコシスティス・フェアリー(Sarcocystis fayeri)

原虫と呼ばれる非常に小さな寄生虫の仲間です。
ごく最近まで人に対しての病害性は無いとされていましたが、原因不明の食中毒の発生を調査するうちに、この寄生虫が原因であろうと推測されるにいたりました。 ザルコシスティス・フェアリーは馬の筋肉に寄生します。寄生された馬肉を生で食べると、食中毒を起こすことがあります。

馬肉からのザルコシスティス・フェアリーの検査方法
現在確立されている主な検査法は形態学的検査(顕微鏡検査)による方法と遺伝子検査による方法とがあります。
遺伝子検査法は、食用とする筋肉の一部からDNAを取り出し、ザルコシスティスに特有の遺伝子を検出する方法です。
形態学的検査は、筋肉を人工消化液で溶解させて遠心分離、もしくは、そのまま筋肉を薄切りや圧平してザルコシスティスを顕微鏡で観察する方法です。
形態学的検査では、脂肪繊維などの雑物が顕微鏡観察の障害となることから高い技術・技量が必要とされることがありますが、検査に使用できる量が多いために検出感度は遺伝子検査と比較して劣るものではありません。
馬には、Sarcocystis fayeriの他にSarcocystis bertramiの2種類のサルコシスティスの寄生が知られていますが、現在では、遺伝子検査も形態学的検査もこの2種類を分類することはできません。

株式会社町田予防衛生研究所では、ザルコシスティス属の検査において、従来より行っている顕微鏡検査に加えて、平成24年2月より定性PCR法による遺伝子検査を導入しました。
遺伝子検査および顕微鏡検査ともに「生食用馬肉中のSarcocystis fayeri検査法(暫定法)」(食安監発0823第1号)に準じて行われます。
生食用馬肉等の自主検査にご活用ください。

クドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata)

原虫と呼ばれる非常に小さな寄生虫の仲間です。
ごく最近まで人に対しての病害性は無いとされていましたが、原因不明の食中毒の発生を調査するうちに、この寄生虫が原因であろうと推測されるにいたりました。
クドア・セプテンプンクタータはヒラメの筋肉に寄生します。寄生されたヒラメの刺身などを生で食べると食中毒を起こすことがあります。

ヒラメからのクドア・セプテンプンクタータの検査方法
現在確立されている主な検査法は形態学的検査法・遺伝子検査法・培養法とがあります。
何れの検査法もヒラメ1匹の特定の部位から筋肉の一部を採取して検査を実施します。 ヒラメには3種類のクドアの寄生が知られていますが、何れの検査法でもクドア・セプテンプンクタータを特定することができます。

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